夫婦の財産関係
法定財産制度
夫婦は、婚姻して共同生活を営みます。婚姻後、共同生活を送るうちに預貯金をしたり、居住用の不動産を購入したりすることがあります。
婚姻後の夫婦の財産関係については、法律で定めています。これを法定財産制度といいます。
- 婚姻費用の分担
夫婦は、婚姻共同生活を維持するための費用については、それぞれの資産、収入、その他一切の事情を考慮して分担すべきと言うことです。 - 日常家事債務の連帯責任
夫婦が婚姻して日常生活を営むには、食料や衣服等が必要ですが、これらは、通常、第三者と売買契約等を締結して入手します。
このような売買代金の支払のための債務は、婚姻共同生活を維持するための債務ですから、夫婦が共同責任を負うべきです。
これを夫婦の日常家事債務の連帯責任といいます。 - 夫婦別産制
夫または妻が婚姻前に取得した財産は、婚姻後も夫又は妻のものです。これを特有財産(固有財産)と言います。
これと同様に婚姻中に夫婦の一方が自己の名義で取得した財産も、その人の特有財産であり。
例えば、親からの相続や贈与により取得した財産も、その人の特有財産であります。
*婚姻後の夫婦の財産関係については、婚姻前に当事者間で合意することができます。これを「夫婦財産契約」または「婚前契約」と言います。
これは、これから婚姻しようとする男女が、婚姻後の夫婦の財産関係について、あらかじめ契約をしておくことで、紛争を未然に防止する制度です。
元々欧米の資産家でよく利用された制度ですが、近年中国や日本などアジアでも利用されることが増えています。
夫婦間の財産の共有推定
夫婦の婚姻後、共同生活を営んでいると、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産が生じます。
こうした財産については、どちらかの特有財産であると断定することができないので、夫婦の共有に属すると推定されています。
自己の特有財産を主張する者は、自分の特有財産出あることを立証して、この推定を覆すこともできます。
夫婦の実質的共有財産
夫が外で仕事をして、妻が専業主婦として家事労働に従事している夫婦の場合は、原則として夫婦が協力して形成したのであり、財産形成に対する寄与や貢献の程度は、夫婦平等であるとしています。
つまり、夫が婚姻中に働いて得た給与やこれで購入した不動産は、たとえ名義が夫であったとしても、実質的には、妻との共有財産であり、離婚するのであれば、生産すべきであるとしています。
こうした財産には、土地建物のほか、自動車、預貯金、生命保険、株式及び有価証券等が含まれます。
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